心筋リモデリングは血行力学的負荷に伴い生じる代償的応答であり、この状態が持続すると心不全に陥る。その機構として心筋細胞の肥大化や、線維芽細胞によるコラーゲンなど細胞外基質の蓄積を伴う間質の線維化が知られている。本研究では、肝線維症や大腸がんにおいて細胞外基質リモデリングの制御を介し、疾患の発症や進行を促進することが報告されている細胞接着斑アダプター分子 Hic-5 に着目し、心不全発症や進行における Hic-5 の役割を解析した。その結果、Hic-5 は心不全の進行を促進する分子であり、この分子の機能を抑制することで、心不全の進行を抑制できる可能性が示された。
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