研究課題/領域番号 |
21K16100
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
鈴鹿 隆保 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (50748225)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 動脈硬化 / 炎症 / 関節リウマチ / モデルマウス |
研究実績の概要 |
動脈硬化による心血管イべント発症リスクはスタチン投与後にも残存し、残余リスクの一つとして炎症が注目されている。慢性炎症性疾患である関節リウマチ (RA)患者は、合併する心血管イべントによる死亡率が高い。関節炎の慢性炎症が動脈硬化進展に影響を及ぼすと考えられているが、その機序は解明されていない。関節炎が動脈硬化に及ぼす影響を検討することは、動脈硬化進展の残余リスクの解明、新規治療の確立につながる。その方法として動物モデルを用いる方法があるが、関節炎と動脈硬化を同時に発症する動物モデルは存在しなかった。 研究代表者は、慢性関節炎モデルであるSKGマウスと、動脈硬化モデルであるApoEノックアウトマウスを交配させ、関節炎と動脈硬化を同時に発症するモデルマウス(ApoEノックアウトSKGマウス)を樹立した。次に、ApoEノックアウトSKGマウスの関節炎と動脈硬化の関連を検討するため、関節炎を誘導する群と誘導しないコントロール群を設定し、各群の関節炎、動脈硬化の程度を評価した。8週齢で関節炎を誘発して16週齢で動脈硬化の程度を比較検討した。関節炎の発症を誘発した群は誘発しなかった群に比較して、動脈内膜面の粥状硬化面積が有意に増加し、大動脈弁輪部の動脈狭窄率が有意に上昇した。これは、炎症病態が動脈硬化進展に直接影響を与えることを示唆するものであり、動脈硬化病態形成の解明に大きな意義があるものと考えている。引き続き、計画に沿って進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のように、モデルマウスを用いた病態形成の確認、関節組織処理も含めた予備実験が終了しており、予定している各種薬剤や脂肪由来幹細胞による治療介入の本実験を進めている段階である。当初の予定と比較し、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、確立したモデルマウスを用いて各種薬剤(抗TNF-α製剤、抗IL-6製剤、JAK阻害剤など)によるモデルに対する有効性評価を順次進めていく予定であり、各種薬剤の結果を学会や論文として公表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
モデルマウス作製後、動脈や関節の評価の方法の検討などをする段階で予想以上に時間を要した。この作業には予算が必要なかったため、次年度使用額が生じた。 次年度は、モデルに対する有効性を評価する予定の薬剤(抗TNF-α製剤、抗IL-6製剤、JAK阻害剤など)の購入などで使用していく予定である。
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