早期再分極症候群(ERS)は若年者心臓突然死の一因となる疾患である。これまでに、原因と考えられるKCND3変異を同定し、培養細胞を用いた電気生理学的機能解析によってその病態の一端を報告した。本研究では、よりヒト生体に近い実験条件であるiPS細胞由来心筋細胞を用いてERSの病態を解明することを目的とした。 樹立した疾患モデルiPS細胞(健常人iPS細胞へのゲノム編集、患者末梢血単核球由来の2系統)を心筋細胞へ分化させてパッチクランプ法による電気生理学的機能解析を行った。培養細胞と比較し、iPS細胞由来心筋細胞は細胞膜の安定性が低く、電流測定のために多くの実験時間を要した。引き続き細胞数を増やしていく必要があるが、研究代表者がスキルアップの海外留学研修を行うため、本研究は一旦休止することとなった。
|