特発性肺線維症(IPF)は、慢性進行性に高度の線維化と肺胞構築の改変を呈する原因不明の致死的な肺疾患である。近年、細菌叢がIPFの病態に関与することが報告されているが詳細な機序は不明である。我々は以前に肺線維症マウスの肺組織から細菌由来の細胞死誘導ペプチドであるcorisinを発見した。本研究ではcorisinの活性を抑制するモノクローナル抗体を作製し、複数の肺線維症マウスモデルに投与して病態抑制効果を検討した。その結果、抗corisin抗体の投与により肺の炎症や線維化、肺胞上皮細胞の細胞死が抑制された。本研究結果から、corisinが肺線維症の病態進行や急性増悪関与することが示唆された。
|