特発性肺線維症(IPF)は、予後不良の指定難病であり、根治的な治療薬は開発されていない。先行研究により見出されたRBM7/NEAT1/CXCL12カスケードによる線維化制御メカニズムおよび免疫細胞・非免疫細胞の相互連関を検討することで、線維症の発症過程の包括的な理解を目指した。進展した線維化肺は荒廃した終末期の病像ととらえられてきたが、線維芽細胞活性化を維持し線維化を進展させる活発な免疫応答があることが示された。免疫細胞・非免疫細胞の相互連関による線維化制御メカニズムを検討することで、線維化を維持・進展させる分子・細胞間ダイナミズムを明らかにすることが出来た。
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