2022年4月以降,PNA-LNA dual PCR法(PLDP法)でのDriver mutationの確認依頼があり,14症例より細胞検体/血漿cfDNAを用いて検索を行った。4症例よりEGFR Exon19 deletion (Ex19_del),1例よりEGFR Exon21 L858R (L858R)の検出があった。血漿cfDNAからは,4症例中2症例からEx19_delの検出を認めた(L858Rは,cfDNAからは検出なし)。 血漿cfDNAを用いたPLDP法とMINtS法(Mutation Investigator using the Next-era Sequencer: MINtS)の比較では,Ex19_delでは,PLDP法での検出のあった8症例中8症例においてMINtS法で検出され,L858Rでは5症例中3症例(1症例では検出感度以下での検出),KRAS G12Cでは2症例中1症例で検出された。MINtS法は検出限界アレル頻度は0.5%であるので,PLDP法はMINtS法より高い検出感度を確認した。ただし,PLDP法は特定のDNA領域遺伝子変異を対象とし高感度化した手法であり,MINtS法はDNA/RNA領域の多遺伝子変異を包括的に検出する手法であるので,厳密には検査目的が異なり,また,この差は一連の設計・スキームから推測される範囲である。 また,細胞検体から抽出した核酸と,PLDP法の1st amplicon(PNAにより変異のない遺伝子の増幅が抑制され,変異のある遺伝子変異のみ増幅されたPCR産物)を精製したものを,NGS-C法で解析した比較を,前回に続き37症例においておこなった。もともとのDNAの鋳型に数%,または,より微小の遺伝子変異しか含まれない場合は,PLDP法でもwild typeの増幅の抑制や遺伝子変異の増幅が弱いことが示唆された。
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