ヒト間葉系幹細胞由来細胞外小胞の肺線維化制御の解明

2023 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21K16122
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分53030:呼吸器内科学関連
• 研究機関: 順天堂大学
• 研究代表者: 門屋 講太郎 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (10849706)
• 研究期間 (年度): 2021-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: Extracellular vesicles / 間葉系幹細胞 / 肺線維芽細胞 / TGF-β / micro RNA

研究成果の概要

間葉系幹細胞（MSC）由来Extracellular Vesicle (EV)製剤をTGFβ刺激下で肺線維芽細胞に作用させたところ、ファイブロネクチン濃度勾配に対する遊走能の抑制、コラーゲンゲル収縮能の抑制がみられた。また、αSMAやⅠ型コラーゲンの産生能の抑制がみられた。次に、MSC由来EV製剤のmiRNA網羅的解析やmiRNA mimic実験により、ある特定のmiRNAが抗線維化作用を有することが示した。さらに作用機序解明のために細胞内シグナル経路に着目して検証を進め、EV製剤を投与された肺線維芽細胞では繊維化に関連するリン酸化シグナルおよび特定の蛋白発現を抑制することを示した。

自由記述の分野

肺線維症

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は、従来にない間葉系幹細胞由来Extracellular Vesicle (EV)による肺線維症の病態制御機序の解明を行い、間葉系幹細胞由来EVのタンパク質やmiRNAの新たな抗線維化標的因子の同定を行う。革新的な新規バイオ抗線維化薬剤として間葉系幹細胞由来EVの臨床応用に向けた基盤研究である。