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2023 年度 研究成果報告書

COPDにおける鉄代謝に着目した新たな治療法の確立

研究課題

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研究課題/領域番号 21K16133
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分53030:呼吸器内科学関連
研究機関山形大学

研究代表者

佐藤 正道  山形大学, 医学部, 助教 (90613050)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード慢性閉塞性肺疾患 / 鉄代謝 / アミノレブリン酸合成酵素 / 遺伝子改変マウス
研究成果の概要

鉄欠乏状態は喫煙による肺組織の炎症を増強し、慢性閉塞性肺疾患の主病態である呼吸機能や肺気腫を増悪させるという背景を基に、鉄代謝に関わるヘム蛋白合成経路に着目した。ヘム蛋白合成経路のアミノレブリン酸合成酵素(Aminolevulinic acid synthase; ALAS)遺伝子改変マウスを用いて喫煙曝露を行ったところ、肺気腫の程度は対照群と差異がなかった。肺胞上皮細胞株をALAS-1阻害薬により処理した後にJC-1染色を行ったところ、ミトコンドリア膜電位が上昇し、ミトコンドリア内のヘム合成阻害が起こっていることが示されたが、タバコ抽出液によるアポトーシスの程度には差異が認められなかった。

自由記述の分野

呼吸器内科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

我々のこれまでの研究では、鉄欠乏状態が肺内の炎症に関わっていることを示してきたが、貧血はそのリスクとはなっていなかったことから、本研究では、鉄欠乏が貧血とは別のメカニズムで肺の炎症と関連している可能性を検討した。結果ヘム蛋白合成経路は喫煙刺激による肺細胞のアポトーシスや肺組織の破壊による肺気腫の形成に関与していない可能性が示唆された。本研究結果よりヘム蛋白の代謝系ではなく、純粋に鉄欠乏状態が喫煙刺激による肺組織の炎症や破壊に関連していることが推察された。慢性閉塞性肺疾患の全身併存症の一つに挙げられる貧血は本疾患の病態の理解、疾患管理に重要な役割を持つことが再認識された。

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公開日: 2025-01-30  

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