Rho GTPaseはアクチン線維を制御し、細胞形態に重要な役割を果たす。これまでにポドサイトの代表的なRho GTPaseであるRac1の活性異常が尿蛋白や糸球体硬化に関わることが知られているが、その制御機構の詳細は明らかでない。そこで本研究で近位依存性ビオチン標識を用いてポドサイトのRac1関連因子の網羅的同定を試みた結果、GIT2蛋白が検出された。GIT2はポドサイトにおいて接着斑に局在した。GIT2欠損ポドサイトではRac1活性に依存した細胞面積の増加を認めた。以上より、ポドサイトのGIT2は接着斑に局在し、Rac1活性を制御することで細胞形態の維持に関わると考えられた。
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