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2023 年度 実績報告書

EGR-1を用いた回復可能な傷害ポドサイトの検出

研究課題

研究課題/領域番号 21K16172
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

岡部 匡裕  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (70595272)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードポドサイト / ポドサイト傷害 / 糸球体疾患 / EGRー1 / CKD / IgA腎症 / ループス腎炎 / ネフローゼ症候群
研究実績の概要

腎生検診断された糸球体疾患患者102症例の前向きコホート研究により,ポドサイトEGR-1発現率が尿蛋白量,尿nephrinおよびpodocin mRNA量と正相関,糸球体podocin発現と逆相関しており,糸球体疾患患者においてポドサイトのEGR-1発現頻度とポドサイト傷害の程度ならびに脱落ポドサイトの程度に関連があることが示唆された.同コホートにおいて,IgA腎症(IgAN)症例のみの解析でも同様の傾向が観察され,またポドサイトEGR-1発現率は管内細胞増多や細胞性/線維細胞性半月体を伴う糸球体率とも関連する傾向であった.ループス腎炎(LN)症例75例による後向きコホート研究でも,ポドサイトEGR-1陽性糸球体率がSLEDAIスコア,尿蛋白量,管内細胞増多・細胞性/線維細胞性半月体・フィブリノイド壊死を伴う糸球体率と相関,腎機能と逆相関していた.糸球体腎炎による二次性ポドサイト傷害が原疾患の腎炎の活動性に影響されることが知られており,EGR-1がヒトのポドサイト傷害の染色マーカーになり得ると考えられた.
IgAN症例においてもLN症例においても1-2年間の短期間の尿蛋白減少は,ポドサイトのEGR-1発現割合に関わらず多くの症例で認められ,EGR-1発現ポドサイトが治療により回復しうる可能性があった.一方,LN症例ではEGR-1陽性ポドサイトを含む糸球体率は長期的には腎機能低下に関連していた.
後向きコホート研究で,微小変化型ネフローゼ症候群(MCD)症例36例とネフローゼ症候群発症の巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)症例9例を比較したところ,FSGS群で有意にポドサイトEGR-1発現率が上昇していた.FSGSはMCDよりポドサイトに強い傷害が加わっていることが示唆された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Early growth response 1 as a podocyte injury marker in human glomerular diseases2024

    • 著者名/発表者名
      Okabe Masahiro, Koike Kentaro, Yamamoto Izumi, Tsuboi Nobuo, Matsusaka Taiji, Yokoo Takashi
    • 雑誌名

      Clinical Kidney Journal

      巻: 17 ページ: sfad289

    • DOI

      10.1093/ckj/sfad289

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Podocyte Injury Marker EGR1 in Lupus Nephritis2023

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Okabe, Kentaro Koike, Nobuo Tsuboi, Taiji Matsusaka, Takashi Yokoo
    • 学会等名
      American Society of Nephrology Kidney Week 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 微小変化型ネフローゼ症候群および巣状分節性糸球体硬化症におけるポドサイトEGR1発現2023

    • 著者名/発表者名
      岡部 匡裕, 小池 健太郎, 坪井 伸夫, 松阪 泰二, 横尾 隆
    • 学会等名
      第66回日本腎臓学会学術総会

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公開日: 2024-12-25  

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