研究課題/領域番号 |
21K16172
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
岡部 匡裕 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (70595272)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ポドサイト / ポドサイト傷害 / EGR-1 / 糸球体疾患 / 糸球体腎炎 / ネフローゼ症候群 / 慢性腎臓病 / IgA腎症 |
研究成果の概要 |
ヒト糸球体疾患において,ポドサイトのEGR-1発現は尿蛋白量ならびに尿中ポドサイト関連mRNA量と正相関,ポドサイト関連タンパクの染色性と逆相関し,ヒトにおいてもポドサイト傷害との関連が示された.ポドサイトEGR-1発現率は糸球体腎炎患者で高い傾向にあり,また糸球体腎炎の急性病変と関連し,特に急性の傷害で発現すると考えられた.IgA腎症あるいはループス腎炎患者では,ポドサイトのEGR1発現率が高くとも,多くの症例で治療により尿蛋白減少を達成しており,EGR-1陽性で表現される傷害ポドサイトの可塑性が示唆された.以上より,回復可能な傷害ポドサイトの検出にEGR-1染色が有用な可能性がある.
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自由記述の分野 |
腎臓学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎臓の濾過装置である糸球体の重要な構成細胞であるポドサイトを保護することは,腎臓病の進行を抑える上で重要である.ポドサイトは傷害を受け続けると糸球体から剥がれ落ち,かつ再生できないため,早期に傷害ポドサイトを検出し,剥がれ落ちる前に保護することが望まれる.本研究により,糸球体疾患患者においてEGR-1が回復可能な傷害ポドサイトを検出できるマーカーとなり得る可能性を見出した.EGR-1染色を行うことで,糸球体疾患患者のポドサイト傷害の程度を可視化することが可能となり,また,予後や治療反応性を予測し,免疫抑制剤の使用方法を変更するなど,個々の患者にあわせたオーダーメイド治療につながる可能性がある.
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