研究課題/領域番号 |
21K16176
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
岡田 圭一郎 金沢医科大学, 医学部, 助教 (70835876)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | γH2AX / 虚血再灌流障害 / 腎移植 / 移植腎機能発現遅延 |
研究実績の概要 |
移植腎の0時間生検および1時間生検の腎組織を用いて、抗γ-H2AX抗体を用いた免疫染色を検体を新たに追加し、染色した。生体腎移植では、 0時間および1時間後のγ-H2AX陽性率は、有意に低下していた。また、生体腎移植と献腎移植の1時間後のγ-H2AX陽性率に有意差を認め、生体腎移植より献腎移植では移植後1時間で、尿細管障害が強く認める結果となった。0時間γ-H2AX陽性率とその変化率は、生体腎、献腎移植例ともに負の相関を示した。一方、1時間生検γ-H2AX陽性率とその変化率は、献腎移植例において正相関を示すとともにDGF(移植腎機能発現遅延)およびPNF(移植後無機能腎)群では、その変化率(⊿1hr-0hr)が増加傾向を示した。多変量解析(ステップワイズ法)では、移植後のDGFやPNFなどの腎予後のgradeを5段階で評価した場合に、γ-H2AXの変化率とdonorの血清クレアチニン値との関連が強いことが示された。また、移植腎donorの血清クレアチニン値と、0時間と 1時間におけるγ-H2AXの陽性率の差である⊿γ-H2AXは、より重度の腎機能発現遅延を認めた症例およびPNF症例に対する有用な予測因子であった。生体腎移植に比して献腎移植、特にDGFおよびPNFでは、移植後の二本鎖DNA障害に示される尿細管障害が進行し、その機能発現がより遷延している可能性が示された。また、尿細管における移植後0hr、1hrのγ-H2AXの変化率がDGFを予測できる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスの腎組織標本の染色を免疫蛍光抗体法で行っているが、γH2AXの定量化が困難となっている。
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今後の研究の推進方策 |
現在用いている抗体による腎組織標本の染色は、非特異的反応によって定量化が困難であり、動物種の異なる別の抗体を用いることによって対応する。
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次年度使用額が生じた理由 |
端数が生じたため、次年度に使用するγH2AXを検出する抗体キット購入の費用に充てる。
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