研究実績の概要 |
2023年度は現在までに収取した孤発性IgA腎症から89検体を提出した。これは家族性が11-12%である2021年度の本研究の発表論文から設定した(100症例=87症例孤発性+11症例家族性)Sato, Y., Tsukaguchi, H., Higasa, K. et al. Positive renal familial history in IgA nephropathy is associated with worse renal outcomes: a single-center longitudinal study. BMC Nephrol 22, 230 (2021).
2023年はこの89検体をWGSに提出したが2検体がQCから除外されてしまい87検体でのWGSの結果を得た。ACMG(American College of Medical Genetics)のP/LP(Pathogenic/LikelyPathogenic)の検出、COL4A3/COL4A4/COL4A5は合計4検体であった。この4.1%は一般米国US患者での検出率の4.6%(76/1623)とほぼ同じであった(Journal of the American Society of Nephrology 34(12):p 2039-2050, December 2023. )。次に中国から孤発性の菲薄化したIgA腎症において、31.1%(38/122)に病原性が高いと推察されるCOL4A3/COL4A4/COL4A5の変異が検出されたとの報告がされた。当研究で評価可能な電子顕微鏡画像が得られたもので菲薄化が認められた31例について再評価を行って1/31と3.2%という結果であった。
上記より本国での孤発性IgA腎症とCOL4A3/COL4A4/COL4A5は関連が乏しい可能性が考えられた。
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