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2021 年度 実施状況報告書

喫煙と扁桃上皮に着目した掌蹠膿疱症の発症メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K16232
研究機関札幌医科大学

研究代表者

小林 景樹  札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (50828085)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード喫煙 / IL-8 / IL-36 / IL-17
研究実績の概要

喫煙が関与する皮膚疾患は乾癬、掌蹠膿疱症、化膿性汗腺炎の3つである。いずれの疾患もQOLを著しく低下させ、しばしば難治性である。近年IL-8, IL-36が病態に関与することが報告されている。乾癬では治療選択肢が多いが、掌蹠膿疱症、化膿性汗腺炎は治療選択肢が少なく、病態に根差した新規治療法の開発が望まれている。われわれは耳鼻咽喉科領域の手術で得られた頸部皮膚由来のケラチノサイトを用いた研究を進めている。ケラチノサイトに対して喫煙刺激ならびにIL-17AまたはIL-17Fで刺激するとIL-36, IL-8の発現が亢進することを確認した。IL-17FはIL-17Aに比べると生理活性が弱いと考えられているが、乾癬の皮膚病変では約30倍程度高発現していることが知られている。そこでIL-17Fの投与量を増やすと、容量依存性にIL-36, IL-8の発現が亢進することを突き止めた。一方でIL-1についてはそのような傾向はみられなかった。従ってIL-17A, IL-17Fを療法ブロックするビメキズマブは喫煙が関与する皮膚疾患に対する有用性を検証するものと言える。つまり喫煙刺激がIL-17/IL-36 axisを強化させ、病変部の膿疱化を誘導することが示唆される。この結果は喫煙が関与する疾患である乾癬・掌蹠膿疱症・化膿性汗腺炎の病態メカニズムの解明の鍵になると考えられる。現在、この内容について論文投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記に示したようにケラチノサイトを用いた実験で、狙い通りの結果が得られており、現在論文投稿中である

今後の研究の推進方策

現在行っている研究はcell biologyであり、動物モデルを用いた実験ではないためエビデンスレベルは低い。今後、喫煙暴露されたマウスを用いて喫煙が関与する皮膚疾患の病態メカニズムの研究を進めたい。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染の影響で学会の参加ができなかった。今後は可能な範囲で学会で最新の知識をアップデートしていきたい

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Cigarette smoke underlies the pathogenesis of palmoplantar pustulosis via an IL-17A-induced production of IL-36gamma in tonsillar epithelial cells2021

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi K, Kamekura R, Kato J, Kamiya S, Kamiya T, Takano K, Ichimiya S, Uhara H.
    • 雑誌名

      J Invest Dermatol

      巻: 141 ページ: 1533–41

    • DOI

      10.1016/j.jid.2020.09.028. Epub 2020 Nov 12.

    • 査読あり
  • [学会発表] 喫煙が関与する 掌蹠膿疱症の発症メカニズム2021

    • 著者名/発表者名
      小林景樹
    • 学会等名
      第120回日本皮膚科学会総会
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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