研究課題/領域番号 |
21K16234
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
荒川 幸保 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70851707)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | IKZF1 / Alopecia areata / NKG2D / Ikaros / MHC class I |
研究実績の概要 |
近年、全ゲノム関連解析によりIKZFファミリーの遺伝子が円形脱毛症に大きくかかわっていることが明らかになってきている。そのIKZFファミリーのIKZF1をトランスフェクションした毛乳頭細胞、ケラチノサイト、線維芽細胞を健常者の末梢血単核球と共培するとNKG2D依存性の末梢血単核球関連細胞毒性の増加を誘導することから、in vitro下ではIKZF1が円形脱毛症の自己抗原提示に大きく関与すると推察されている。しかし、生体下において、IKZF1が円形脱毛症でどのように発現し、役割を果たすのかは未だ解明されていない。そこで、ケラチン5をプロモーターとしてIKZF1遺伝子を導入したベクターを用いた、ケラチン5特異的IKZF1強発現マウスIKZF1 Tgマウスを作成し、脱毛機序の解析を行った。この皮膚表皮等上皮特異的にIKZF1を強発現させたIKZF1 Tgマウスは脱毛斑を生後4週間頃から高確率で自然発症した。IKZF1 Tgマウスの脱毛部皮膚組織の免疫染色を行ったとろ、破壊された毛包や退行期の毛包へのCD8陽性細胞およびCD4陽性細胞による浸潤を認めた。また、毛包や退行期の毛包へCD8+NKG2D+細胞浸潤も認めた。さらにRT-PCRにてmRNA発現を解析したところ、IL-15、JAK1、JAK3など円形脱毛症に関連した因子が過剰発言していた。したがって、IKZF1 Tgマウスが円形脱毛症と同様の病態で脱毛を来している可能性が推察される。現在、IKZF1 Tgマウスの脱毛部の追加免疫染色やサイトカイン、ケモカインmRNA量をreal-time PCRで追加解析をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度、IKZF1 Tgマウスの脱毛部皮膚組織の免疫染色を行ったが、脱毛症の実験については、様々な種類の染色を行い、条件設定を行うことに時間を要している。追加染色する項目も出てきている。さらに、real-time PCR に用いるプライマーや条件検討などのセットアップに時間を要している。こちらも追加項目が出てきている。 以上の過程により、当初の予定よりはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で得られた知見をもとに、円形脱毛症におけるIKZF1を介する炎症の制御機序が解明され、IKZF1をターゲットにした円形脱毛症をはじめとした炎症性疾患の新たな発症予防法や治療法の開発を行うための研究をさらに推進する。IKZF1 Tgマウスの脱毛部皮膚組織のNKG2D陽性CD8細胞浸潤や毛包上皮細胞におけるH60やMHC-classⅠ発現などを免疫組織学的に評価し、Wild type マウスと比較し、解析する予定である。さらに、STAT1/3、TNF-α、IL-6、IFN-γ、CXCL9、CXCL10、CXCL11など円毛脱毛症に関連するサイトカインやケモカインのmRNA量をreal-time PCRで解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
品購入が不足していたため次年度使用額が生じた。翌年度分と合わせ物品購入に使用する予定である。
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