研究課題/領域番号 |
21K16236
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中村 善雄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (20528244)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 乳房外パジェット病 / 組織透明化 / 浸潤 / 立体構造 |
研究実績の概要 |
令和4年度は前年度の研究課程で注目した同意の得られた乳房外パジェット病に特異的で浸潤に関係していると思われる蛋白Xに関して、表皮内癌62例、浸潤癌28例について染色を行い、その陽性率と発現強度スコアについて解析を行った。 蛋白Xは表皮内癌では95%以上の症例で染色されるものの、浸潤がんとなると半数程度の症例でのみ陽性となることが明らかとなり、統計学的に有意差を示した。乳房外パジェット病の表皮内がんにおける優れたスクリーニング蛋白となりうるだけでなく、浸潤により失活する傾向にあるユニークな性質を持つことがわかった。現在他の免疫染色を同時行い、蛋白Xが乳房外パジェット病の診断においてどのような位置付けになりうるかを検討している。今後、どういった機序で浸潤過程で失活するのかを明らかにするための追加実験を行う予定である。 皮膚組織の透明化技術に関しては、透明化組織のデータ収集に関して原行の方法で透明化されるものの、作成に日数を要すること、溶媒の融点が比較的高く、冬期には室温で結晶が出現するリスクがあることの課題が克服できていない。さらに脱メラニン処理に関しても表皮ないのメラニン除去は可能であるものの、毛髪の脱メラニンが不完全となる課題を残している。現在CUBIC法を元にした現行の技術以外の手法との比較を行い、実用化に向けて最良の手法を確立できるよう検討中である。 進捗に遅れが生じているため、今回1年の延長申請を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染により初動が遅れ、1年間の延長申請をさせていただいた。
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今後の研究の推進方策 |
乳房外パジェット病の浸潤に関わる蛋白Xに関しては追加の免疫染色を行い、他の免疫染色との関係性、スクリーニング染色としてどれだけ有用であるかの確認を行うとともに、浸潤によって失活する機序の解明を目指す。 透明化技術はより日数、手間のかからない方法に向けて他組織で行われている種々の方法と比較検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
全体的に研究が遅れていることと、使用する染色抗体について残余の物品を使用しており、予定より使用しなかったため差額が生じている。今後追加染色を行う予定であり、1年度延長認め令和5年度に使用予定である。
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