血管免疫芽球性T細胞リンパ腫 (AITL)は、クローン性造血を背景に持つ成熟T細胞リンパ腫である。TET2変異を持つ免疫細胞がAITLの発症を可能にする機序について、モデルマウスを用いて検討した。血液細胞全体でTet2を欠損したマウスは約1年でAITLを自然発症したが、T細胞のみでTet2を欠損したマウスでは発症は観察されなかった。Tet2欠損炎症細胞はAITLのニッチとして機能していることが示唆された。免疫細胞による共移植実験とオミクス解析から、微小環境では独自にクローン進化を遂げた異常GCB細胞が拡大し、CD40LG-CD40経路を通して腫瘍化を支持していることが明らかとなった。
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