多発性骨髄腫は、骨に親和性を持ち、骨破壊病変を形成しつつ骨髄外にも進展する難治造血器悪性腫瘍である。骨髄腫骨病変部では骨形成が抑制されているが、プロテアソーム阻害薬などの新規薬での治療奏効例で腫瘍抑制効果と骨形成誘導の逆相関が示唆されている。本研究では、骨髄間質細胞から分化誘導させた成熟骨芽細胞を骨髄腫細胞と共培養すると、骨髄間質細胞とは異なり、骨髄腫細胞に細胞死を誘導することが示された。その機序として、前骨芽細胞株を成熟骨芽細胞に分化誘導させるとIL-6発現の減少やosteoprotegerinとmiR-125bの発現増加が認められ、骨髄腫細胞死の誘導に関与していると考えられた。
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