研究課題
若手研究
マントル細胞リンパ腫(MCL)において、Galectin-9(Gal-9)はB細胞受容体(BCR)シグナルの起点となる細胞膜脂質ラフトにBCR抑制性分子を局在化させることBCRシグナルを負の方向に制御し、細胞増殖を抑制することを明らかにした。MCLの腫瘍微小環境下においてGal-9の脱機能異常が生じ、BCRシグナル亢進による腫瘍形成が促進される可能性が示唆された。
血液内科学
本研究はMCLの腫瘍形成ならびにBCRシグナル過剰活性化の機序として、腫瘍微小環境に依存した糖鎖修飾ならびに関連分子であるGal-9の脱制御が関与することを示した画期的な研究と考えられる。MCL患者ではBCR標的治療抵抗性を示した場合、極めて予後不良であることが知られており、治療抵抗性克服は喫緊の課題であるもののBCRシグナル活性化機構にいまだ不明な点が多いため、本研究成果がMCLの新規治療開発につながるものと期待される。