研究課題/領域番号 |
21K16251
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
原 隆二郎 東海大学, 医学部, 助教 (90750026)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 特発性肺炎症候群 / レニン・アンジオテンシン系 / 肺胞マクロファージ |
研究実績の概要 |
特発性肺炎症候群は同種造血幹細胞移植後の致死的合併症であるが発症機序は明らかでない。移植前処置等により刺激された肺胞マクロファージでアンジオテンシンIIによる共刺激も加わってインフラマソームの活性化が起こり、ドナーリンパ球を過剰に活性化してIPS発症に至るのではないかという仮説を考えた。本研究では、同種造血幹細胞移植によるマウス特発性肺炎症候群モデルを用いて特発性肺炎症候群と肺胞マクロファージ、そこに関わるレニン・アンジオテンシン系とインフラマソームの関係を解析する。 まずより簡便な肺障害モデルとしてマウスのブレオマイシン肺障害モデルにおいてレニン・アンジオテンシン系と肺障害の関係を評価した。肝臓でのアンジオテンシノゲンノックアウトマウスでは肺でのレニン・アンジオテンシン系因子の発現が亢進しており、肺障害は野生型より増悪していた。肺でのレニン・アンジオテンシン系因子は肺胞マクロファージで特に誘導されており、肺胞マクロファージが病態に深く関わっている事が確認できた。In vitroの肺胞マクロファージに対する刺激でもレニン・アンジオテンシン系因子の発現が誘導された。このレニン・アンジオテンシン系因子の発現とインフラマソームの関わりについては現在確認中である。また、このような肺胞マクロファージにおけるレニン・アンジオテンシン系とインフラマソームの関わりが同種造血幹細胞移植後の特発性肺炎症候群でも起こっているのかどうか、本年度の実験で明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、感染患者対応の業務が増加し、当該研究へのエフォートが減少したため。
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今後の研究の推進方策 |
RAS系とインフラマソームの関わりを確認しつつ、同種造血幹細胞移植後の特発性肺炎症候群のモデルでその関係を検証していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症に対する病院業務の増加に伴い、当該研究に対するエフォートが減少し研究が計画より遅延した。前年度実施予定であった分の内容を今年度に併せて実施していく。
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