免疫不全関連リンパ増殖症(IA-LPD)の一部は自然退縮しうるが,そのメカニズムは明らかとされていない.自己免疫疾患治療中に悪性リンパ腫を発症した10例,固形臓器移植後のLPD 2例について(併せてID群12例),ホルマリン固定パラフィン包埋組織からの核酸抽出,デジタルオミックスアナライザーを用いた遺伝子発現解析を行った.クラスタリング解析を行ったところ,ろ胞性リンパ腫12例とのデータ比較で,ID群における発現で有意に差のある67遺伝子を抽出することができ,そのうち,ID群の中での組織型での差を認めない47遺伝子が,IA-LPDの発症に関連する可能性が考えられた.
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