研究課題/領域番号 |
21K16261
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
坂本 竜弘 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60815398)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / シングルセル解析 |
研究実績の概要 |
急性骨髄性白血病は難治性の血液悪性疾患で、強力化学療法によっても約半数の患者が長期生存できない。急性骨髄性白血病の既存治療は腫瘍細胞を強力化学療 法により駆逐することで治癒を目指す戦略を採っている。しかし、既存治療が適切でない患者に対して治癒を得ることは困難である。これらの患者層に対しては新規治療戦略が必要であり、腫瘍細胞ではなく非腫瘍細胞を標的とした治療の開発が福音となり得る。この治療開発のためには非腫瘍細胞の詳細な解析が必要で あるが、ヒト急性骨髄性白血病の患者検体を用いた詳細な解析は未報告である。本研究では急性骨髄性白血病の患者から採取した骨髄・末梢血検体を単一細胞におけるRNA-seqを用いて遺伝子発現を詳細に解析し、非腫瘍細胞が病態の進行・治療反応性に果たす役割を解析することが目的である。 初年度(2021年度)に関しては急性骨髄性白血病の患者検体の収集を行った。 2022年度は患者検体の収集を継続し、シングルセル解析を含めた解析および臨床情報との統合を行っており、まずは解析が容易である腫瘍細胞において治療効果と腫瘍細胞の遺伝子発現パターンの解析を開始している。今後その結果を得たのちにT細胞、B細胞、NK細胞、単球などの残存血液細胞において各分画の細胞数変化及び単一細胞レベルでの遺伝子発現解析によって治療効果及び予後に与える影響をゲノム異常と統合して解析・発表していく予定となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度はCOVID19の影響と考えられる当施設の入院患者の減少があり、検体の収集に遅れが生じている。解析については細胞数の問題から腫瘍細胞における解析を優先して行っており、当初予定していた非腫瘍細胞の解析までは踏み込めておらず、若干の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
現状COVID19による影響が軽減されてきており、症例の集積及び検体収集は徐々に平常状態に戻りつつあると考えている。従って研究の進捗は徐々に促進されると考えている。解析に関しては現状の腫瘍細胞の解析を早急に終了させ、元々の目的である非腫瘍細胞の解析へと進む方針である。
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