申請者は、リソソームが鉄の恒常性を維持することで、がん遺伝子群の発現を亢進し、白血病幹細胞特異的に未分化性を維持する可能性を見出した。本研究では、①リソソームの鉄代謝を介したがん遺伝子の発現制御機構を特定するとともに、②リソソーム-鉄の下流の未分化維持因子を探索することで白血病幹細胞の未分化性維持機構を解析した。リソソームは、鉄依存的にエンハンサーリプログラミングを誘導することでがん遺伝子の発現を制御することが明らかとなった。また、未分化維持、がん遺伝子のエンハンサー制御に寄与する鉄結合タンパク質を特定した。従って、リソソームによる未分化維持機構の一端が明らかとなった。
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