SOSは化学放射線療法後に生じる合併症であり、肝類洞内皮細胞障害を発端とする循環障害性肝障害を特徴とする。CLEC-2は血小板に発現する他マウスにおいては肝類洞内皮細胞にも発現が報告されており、CLEC-2がSOS病態に何らかの影響をもつ可能性について検証した。モノクロタリン投与SOSモデルマウスを使用し、事前にCLEC-2抗体でCLEC-2を血小板上から除去したところ、肝障害の程度や血小板数の低下が有意に改善した。肝切片では組織障害スコアが改善し、組織内の血小板をCD42bに対する免疫染色で評価したところ陽性域が低下した。また、病勢に関連するとされるPAI1の発現にも有意な低下がみられた。
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