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2021 年度 実施状況報告書

ミクログリアに注目した精神神経ループスの病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K16280
研究機関北海道大学

研究代表者

河野 通仁  北海道大学, 大学病院, 特任助教 (00835192)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード精神神経ループス / ミクログリア / 全身性エリテマトーデス
研究実績の概要

全身性エリテマトーデス(SLE)は若年女性に発症する自己免疫性疾患で様々な臓器病変を伴い生命予後も悪い。SLE患者の20~40%に精神神経ループス(NPSLE)が認められ、意識障害やてんかんなどを呈する。NPSLEはSLE患者の予後規定因子のひとつとされているが、病態は不明で、エビデンスのある治療戦略が立てられないのが現状である。ステロイド投与後にNPSLEを発症する例や、他の臓器病変を伴わない例も多く、NPSLEの病態にあった新規治療が求められている。これまでに我々はNPSLEモデルマウスを用いて、ミクログリアの活性化がNPSLEの行動異常に関与していることを示してきた。本研究ではNPSLEにおけるミクログリアの病態関与ならびに新規治療ターゲットを見いだすことを目的とする。
まず、健常者ならびにNPSLE患者の末梢血単核球からiPS細胞を樹立した。現在ミクログリアへの分化を進めている。またNPSLEモデルマウスであるMRL/lprマウスとそのコントロールマウスであるMRL/MpJマウスの脳からミクログリアを分離し、遺伝子発現の変化をRNAseqで網羅的に検討したところ、複数のターゲットが見いだされた。その中で現在遺伝子Yに注目し、阻害薬によるミクログリアの活性化ならびにNPSLEモデルマウスへの髄腔内持続静注による行動異常の改善の有無を検討している。現時点でYの阻害薬の髄腔内持続静注により、NPSLEモデルマウスの行動異常が改善することが示唆されるデータを得ている。今後Nを増やすとともにミクログリア活性化への影響などについても検討を進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

全体としてはおおよそ予定通り進んでいるため。

今後の研究の推進方策

令和4年度にはさらにYの阻害薬によるミクログリア活性化のメカニズムやミクログリア活性化、貪食能への影響についてさらに検討をすすめていく。またiPS細胞のミクログリアへの分化についても引き続き条件検討などを行っていく予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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