研究課題/領域番号 |
21K16318
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 聖司 大阪大学, 高等共創研究院, 准教授 (70757301)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 耐性菌 / 感染症 / 排出ポンプ / 細菌 / 抗生物質 / 抗菌薬 / 薬剤耐性 / 多剤耐性 |
研究実績の概要 |
世界各国の医療従事者が直面している細菌が関与する各疾患の克服に向け、細菌薬剤排出ポンプとその生理基質に着目した基礎研究と、新たな検出診断法の開発を行う。
具体的には、実際に申請者らの研究から、排出ポンプが薬剤耐性だけでなく病原性・定着性にも深く関与し、細菌と精神疾患・生活習慣病・がん等との関連も明らかになりつつあるため、菌体外に排出され様々な病気を引き起こす細菌の重要な生理活性化合物を同定し、各疾患との関係について明らかにする。さらに、得られた情報を活用して、申請者によって開発済みの耐性菌検出用ナノデバイスを応用した、発症リスク早期検出診断法の確立まで行う。
今年度は、細胞サイズとイオン漏出量を反映した特定の形状の電流シグナルが、マイクロポアを用いたブリッジ回路内の電位差により発生することを発見し、 機械学習を用いたシグナル形状の分類により3種の細菌種を同定することに成功した。現在、論文の投稿作業中である。早期に菌種の同定および耐性菌の検出ができれば、不要な抗菌薬投与を減らすことができ、細菌感染症による死亡者数を減らせるだけでなく、新たな耐性菌出現の抑制、医療費の削減にも大きく貢献することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今後の新規創薬、迅速な耐性菌判定手法の実用化において重要となる、細胞サイズとイオン漏出量を反映した特定の形状の電流シグナルを利用した細菌種同定手法を構築することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
臨床で分離された多剤耐性緑膿菌株を多数用いることで、菌種同定だけでなく、耐性菌検出にも応用可能にすることを目指す実験を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ対策で実験量削減のため。収束次第再開する。
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