研究課題
世界各国の医療従事者が直面している細菌が関与する各疾患の克服に向け、細菌薬剤排出ポンプとその生理基質に着目した基礎研究と、新たな検出診断法の開発を行う。具体的には、実際に申請者らの研究から、排出ポンプが薬剤耐性だけでなく病原性・定着性にも深く関与し、細菌と精神疾患・生活習慣病・がん等との関連も明らかになりつつあるため、菌体外に排出され様々な病気を引き起こす細菌の重要な生理活性化合物を同定し、各疾患との関係について明らかにする。さらに、得られた情報を活用して、申請者によって開発済みの耐性菌検出用ナノデバイスを応用した、発症リスク早期検出診断法の確立まで行う。今年度は、抗生物質や生理活性化合物等を菌体外に排出する機能を持つ細菌薬剤排出ポンプにおける、薬剤耐性緑膿菌に存在する共通の変異に関する投稿論文について、修正対応に必要な遺伝子組み換え菌株を多数構築した。現在これらの菌株を活用し、各変異の詳細な意義について解析を進めている。また、機械学習を用いた培養液から発生する臭気の解析・分類により、細菌種を同定することに成功した。現在菌種をふやして、実用化に向けたさらなる解析を進めている。早期に菌種の同定および耐性菌の検出ができれば、不要な抗菌薬投与を減らすことができ、細菌感染症による死亡者数を減らせるだけでなく、新たな耐性菌出現の抑制、医療費の削減にも大きく貢献することができる。研究期間全体を通じて、当目的の達成に寄与する新デバイスの開発に向けた技術基盤を構築することができた。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 3件、 招待講演 8件) 備考 (1件)
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