研究課題
肺炎の原因となる肺炎クラミジアは動脈硬化症などの脂質代謝異常にも関与することが報告されているが、詳細なメカニズムについてはいまだに不明な点が多い。我々の研究室ではこれまでに肺炎クラミジアが脂肪細胞に感染し、生存に必要な脂質やエネルギーを獲得していることを明らかにしてきた。また、近年、糖尿病や高脂血症などの病態には脂肪細胞やマクロファージから分泌される細胞外小胞(エクソソーム)が関与していることが明らかになってきている。肺炎クラミジア感染によって引き起こされる肺炎以外の病態にもエクソソームが関与している可能性がある。本研究は感染とエクソソームの関連を明らかにし、治療開発の基礎を作ることを目指す。初年度は感染動物由来の血清より、エクソソームの抽出・精製を確立した。市販のキットを用いたカラム法と超遠心法での比較を行った。超遠心法で精製したエクソソームはウエスタンブロット法でマーカータンパクの確認、電子顕微鏡およびナノサイトによる粒子の確認を行った。また、RNAを抽出し次世代シーケンサーによる解析を行っている。
2: おおむね順調に進展している
超遠心法による血清由来のエクソソームの精製を確立した。エクソソームの存在は電子顕微鏡による観察、ナノサイトによる粒子数及びサイズの確認を行った。エクソソーム内のRNAの存在も確認できている。
エクソソーム中のRNAの解析を進めており、次世代シーケンサーを用いたデータの解析を行う。その結果得られた情報をもとに解析を進めていく。
外注での解析を次年度に行うようにしたため繰越金が生じた。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件)
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