新型コロナウイルス感染症の流行拡大を契機に遠隔診療が急速に浸透した。精度や安全性に関する懸念がある一方で、パーソナルヘルスレコード(PHR)やデジタルセラピューティクス(DTx)などICTの利活用により、従来の対面診療に勝る生活習慣病診療の実現も期待されている。本研究ではコロナ禍で行われた2型糖尿病患者に対する遠隔診療やDTxの影響を検証した。2型糖尿病患者2,386名(平均年齢69.4歳、男性62.5%)を解析した。コロナ禍では、受診回数がに減少し、HbA1cが悪化、腎機能低下速度が加速していた。これらの指標に遠隔診療の有無で差を認めなかった。またDTxによる有意な改善効果も認めなかった。
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