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2021 年度 実施状況報告書

肝臓筋肉連関による糖投与後代謝制御及び肥満による制御障害のトランスオミクス解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K16349
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

小鍛治 俊也  奈良先端科学技術大学院大学, データ駆動型サイエンス創造センター, 助教 (80822551)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードトランスオミクス / 臓器連関 / 肥満 / インスリン / マルチオミクス
研究実績の概要

肥満は、複数の臓器における代謝制御に基づく臓器間代謝サイクルを乱し、食後高血糖、2型糖尿病などの代謝疾患を引き起こす。臓器代謝はDNA・RNA・タンパク質・代謝物の各オミクス階層にまたがるトランスオミクスネットワークにより制御されており、未だその全貌は明らかではない。本研究では、糖投与後の野生型 (WT)マウスとレプチン欠損肥満(ob/ob)マウスそれぞれについて、肝臓と骨格筋の代謝制御ネットワークを構築し、これらを統合することにより肝臓筋肉連関トランスオミクスネットワークの構築を試みている。
本年度は、取得されていた筋肉のメタボロームデータとトランスクリプトームを用いて筋肉における糖応答トランスオミクスネットワークの構築および解析を行った。その結果、WTマウスでは、糖応答性代謝産物により多くの代謝反応が制御を受け、特に糖質代謝経路が大きく影響を受けていることが明らかになった。一方、ob/obマウスでは、糖応答性代謝産物による代謝調節の多くが失われ、糖応答性遺伝子による代謝調節が、特に糖質・脂質代謝経路で大きく増加した。これらの特徴の一部は肝臓における糖応答ネットワークでも見られたものであり、次年度より詳細な臓器間ネットワーク比較を行う予定である。また中心炭素、分岐鎖アミノ酸、ケトン体代謝等においても特徴的な糖応答性制御経路をいくつか同定しており、これらの代謝物の糖投与後血中変動やその肥満における異常の原因となりうる経路として見出している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り、筋肉におけるトランスオミクスネットワークの構築及び解析が終了した。

今後の研究の推進方策

本年度に構築した筋肉における糖応答性ネットワークを、以前に構築済みである肝臓におけるネットワークと統合することにより肝臓筋肉連関のトランスオミクス解析を開始する。まずは研究計画通り、臓器間代謝物輸送ネットワーク構築のためのデータ収集を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

参加予定であった国際学会・国内学会の多くがオンライン開催となったため、旅費が予定より大幅に少なくなった。これらの差額は次年度以降の検証実験のための機器および試薬の充実に当てられる予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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