本研究では、これまでにPRSS8を膵β細胞特異的に発現抑制あるいは過剰発現させたマウスにおいてインスリン分泌に影響を与えることを明らかにしてきた。また、マウスインスリノーマ細胞株MIN6細胞でも同様の結果が得られ、PRSS8によってインスリン分泌が制御されることが示唆された。本研究期間では、新たに膵β細胞のPRSS8が上皮成長因子受容体(EGFR)を基質とし、EGFRの切断・活性化を介してインスリン分泌を制御していることが判明した。さらに、PRSS8の発現量や活性によって細胞増殖に影響したことから、PRSS8は膵β細胞においてインスリン分泌と細胞増殖の両者を制御していることが考えられる。
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