外科手術で用いられる非生体吸収性の補強材料は強固で癒着防止の機能があるが、違和感や疼痛があったり、異物として感染源となったり成長によって位置がずれたりする欠点がある。一方生体吸収性補強材の場合は、異物反応を起こさない強みがあるが、機械的特性が不十分で、非選択的な接着性により重要な臓器への癒着が起こるなどの課題がある。このような課題が生じる要因に、材料周囲の細胞に対する制御が不十分さが考えられる。本研究により、ペプチド修飾表面により筋線維芽細胞の分化を制御できる可能性が示唆された。足場材料の表面設計により細胞を制御することで、線維化・癒着を抑制する効果を有する治療用材料開発に繋がると期待できる。
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