研究課題/領域番号 |
21K16386
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
関根 速子 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学成田病院, 講師 (20893639)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 乳房構成 / 高濃度乳房 / 人工知能 |
研究実績の概要 |
本研究は、大きく分けて2つのPhaseがある。 Phase1は、乳房構成の自動評価ツールの作成であり、Phase2は、Phase1で作成した自動評価ツールの汎用性を評価することである。 2021年度は、Phase1を開始した。画像提供に協力していただいている公津の杜メディカルクリニックとのミーティングを重ね、本研究を開始するにあたってのマンモグラフィ画像情報の取り扱いについて検討した。また、Phase2で必要となる当院の画像システムについても取り扱うデータを確認した。画像データの統一化を図るため、公津の杜メディカルクリニックの使用機器の状況に合わせて撮影時期を規定し対象画像の設定を行った。個人情報を保護するため、抽出する画像情報は年齢のみとした。脂肪性、乳腺散在、不均一高濃度、極めて高濃度の各乳房構成の症例画像50例、合計200例をDICOM形式で抽出した。乳房構成の判定には、マンモグラフィ読影認定医2人がそれぞれ独立判定した結果が一致した場合の画像を採用した。抽出した画像を深層学習させるために、画像をJPEGに自動変換すると同時にDICOM情報を抜き出して一覧表にまとめるプログラムを作成し、画像変換を行った。 このJPEG画像をROIに分割し、Convolutional neural network(CNN)を用いて4つの乳房構成の分類の特徴を繰り返し計算する段階となった。群馬大学数理データ科学教育センターにおける技術者とのミーティングを月1回のペースで行って、深層学習に必要なサポートとGPUの準備をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究を開始するにあたり、必要なパソコンやモニター、その他の消耗品の購入に約半年を要した。その間に協力していただく公津の杜メディカルクリニックや群馬大学数理データ科学教育センターとのミーティング行って、研究遂行のための準備をした。コロナ禍ではあったが、ミーティングは全てオンラインで行ったため、画像を実際に使用する前の準備段階の進捗には影響はなかった。 研究に必要な画像は、複数回に分けて抽出を行った。この作業は訪問が必要であり、通常業務と並行して行うために機会は限られたが、概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究のPhase1で作成した乳房構成の自動評価ツールについて、各乳房構成ごとのマンモグラフィ画像1000例を追加してその評価を行う。さらに、この1000例についても群馬大学数理データ科学教育センターに協力をいただきながら、自動評価ツールに組み込み、自動評価ツールの精度を向上させる。研究にご協力をいただいている公津の杜メディカルクリニックとの連携を深め、必要画像を収集する。 これによって作成された自動評価ツールを、任意型検診に導入し、協力施設からこの評価ツールに対するアンケートを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19流行期により各学会がオンラインで行われたため、旅費が見込みよりも少なかった。 次年度は予定通りに研究を遂行し、現地開催される学会にも参加予定である。
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