研究課題/領域番号 |
21K16391
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
會田 直弘 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40750500)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 膵島移植 / 臓器移植 / Muse細胞 / 間葉系幹細胞 |
研究実績の概要 |
膵島移植は1型糖尿病に対する根治療法であるが,臨床では投与した膵島組織の一部が死滅してしまうため,複数回の移植が必要である.本研究はMuse細胞との共移植により,少ない膵島量でも治療効果が得られる高効率化な膵島移植の確立を目的としている.研究初年度である2021年は,まず,ラット骨髄由来のMuse細胞の精製を行った.全身麻酔下にラットの両側大腿骨を採取し,骨髄間葉系幹細胞を分取した.骨髄間葉系幹細胞を3継代培養後にFACSにてSSEA-3陽性細胞を回収した.回収効率は1%程度で1回あたり100000細胞が回収可能であった.SSEA-3細胞の多能性因子の発現などについては今後検討を予定している.回収効率は想定よりも低いものの,本研究ではMuse細胞 100000細胞を共移植する予定であり,必要量の採取は可能であった.細胞数を増やすため,採取する骨数の増加を検討している. 2021年後半からはラット糖尿病モデルの作成と,膵島移植を開始した.ドナーラットは400g以上とし,消化酵素としてLiberase TLを用いた.得られた膵島は,当日中に移植を行った.本研究では膵島単独移植群とMuse細胞との共移植群の比較を予定しているが,まず,コントロールとなる膵島単独移植群の移植を開始した.作成した200-250gの糖尿病ラットに対して,標準投与群500islets,減量投与群250isletsの2群に分けそれぞれ全身麻酔下に経門脈的に投与し,1か月間にわたり血糖値を測定している.今後Muse細胞との共移植による,通常投与群,減量投与群それぞれの血糖推移について検討する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラット骨髄間葉系幹細胞からSSEA-3陽性細胞の分離が可能となった.また,ラットへの膵島移植実験を予定通り開始している.
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今後の研究の推進方策 |
分取できているSSEA-3陽性細胞の機能解析を行う.また,膵島移植実験を進める.膵島単独移植群,Muse細胞との共移植群を作成し,その血糖推移からそれぞれの治療効果を比較する.また,移植した膵島組織に関して組織学的評価も行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年後半から2022年前半にかけて,ラット膵島移植の回数を増やし研究を前倒しすることを計画した.そのため不足する酵素の購入,ラットの購入用に前倒し請求を行った.請求後の2022年3月から4月にかけて研究室の工事が急遽計画されたため,予定していた研究を2021年内に遂行できなくなった.そのため前倒し請求を行った分を2022年度へ繰り越している.本年予定通り研究を遂行する予定である,
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