研究課題
様々な神経、免疫、腫瘍疾患によりしばしば患者の肛門機能は失われてしまう。この場合、排泄のために腹部に人工肛門「ストーマ」が造設される。腸管を腹壁から引き出し腸管皮膚瘻を人工的に作り、体表面にパウチを貼り、持続的に出てくる便を収容する方法である。これにより確かに多くの患者の命は救われてきた。しかし、ストーマの存在そのものによる新たな苦痛を患者に強いることとなったのもまた事実である。管理の猥雑さに加え、整容面や精神面の問題は重く、深い。これらの問題に対し、我々は国際異分野共同研究という形で解決法を追求している。形成外科医、大腸外科医、解剖学者、基礎研究者らが共同で、新しい複合祖域移植の開発を行った。特に、ヒトご遺体を用いて陰部神経および陰部動静脈を吻合する移植モデルについて開発を行った。ご遺体において神経血管は1-2mm程度と細いものの、マイクロサージャリーの技術を用いて十分吻合は可能であることが分かった。また、患者およびご家族を対象としたアンケートを作成したり、ホームページを作成したりすることで社会意識調査の準備を行った。
2: おおむね順調に進展している
おおむね順調に進展している。
前臨床実験として霊長類(サル)を用いた動物実験を検討している。
次年度に経費の掛かる実験を予定しているため。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
Annals of Surgery
巻: Apr 1;275(4) ページ: e636-e644
10.1097/SLA.0000000000004141