胃癌肝転移はきわめて予後不良である。網羅的解析を肝転移に的を絞って応用し、肝転移特異的関連分子としてkiller cell lectin like receptor G2 (KLRG2)を同定した。安定的にKLRG2を喪失させた胃癌細胞株では、細胞増殖能、細胞遊走能、細胞接着能が低下した。KLRG2強制発現により癌細胞の増殖能が増加した。KLRG2は細胞周期関連分子のリン酸化に干渉していた。マウス皮下腫瘍では、KLRG2抑制により有意な造腫瘍能低下を示した。300例の胃癌手術検体を対象とした発現解析では、癌部KLRG2発現度が進行度のみならず累積血行性転移発生頻度に有意に相関していた。
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