GISTに対する分子標的治療は高い臨床効果を示す一方で奏効中の治療中止は、再燃を発症することが臨床試験の結果として示され一生涯の治療とされている。遺残細胞がその原因と考えられた。イマチニブを投与後の遺残細胞に対し、網羅的なメタボロミクス解析を実施し、発見した糖代謝に着目し、新規治療法の開発を行った。メタボロミクス解析の結果、遺残細胞内の細胞内グルタチオン濃度、NADPH濃度ともに低下がみられた。さらに細胞内へのグルコースの取り込みが遺残細胞で低下していることを確認した。 酸化誘導を生じるフェロトーシス誘導剤であるGPX4阻害薬が効果を示し、新規治療法の開発につながる可能性が示唆された。
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