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2023 年度 実施状況報告書

治療抵抗性マイクロRNA・オルガノイド解析に基づいた革進的膵癌治療戦略の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K16426
研究機関鹿児島大学

研究代表者

伊地知 徹也  鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (70791531)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード膵癌 / 治療抵抗性 / オルガノイド / マイクロRNA
研究実績の概要

申請者はこれまで膵癌・マイクロRNAの研究に従事し、膵癌で発現異常を認めるマイクロRNAを複数同定することでマイクロRNAが制御する膵癌分子経路を多数報告してきた。一方、当教室では癌患者の生検検体から「オルガノイド」(3次元培養癌細胞モデル)の作成に成功しており、薬剤感受性試験に応用し研究を進めてきた。今回膵癌切除検体から「膵癌・治療抵抗性マイクロRNA発現プロファイル」を新規作成し、これを「膵癌・オルガノイド」に応用し化学療法・放射線治療抵抗性の解析を行うことで治療抵抗性群の特徴を解明し、臨床応用することを着想した。膵癌患者における「手術単独」、「化学療法後手術」、「化学放射線療法後手術」のそれぞれの切除組織を集積し、シークエンサーにかけて網羅的遺伝子解析を行い、「膵癌・治療抵抗性マイクロRNA発現プロファイル」を作成した。現在は治療経過における膵癌遺伝子の変化を経時的に解析し、膵癌治療抵抗性に関連する分子ネットワークを同定を進めている。次に同定された治療抵抗性に関連するマイクロRNA、遺伝子経路をin vitroにおいて検証を行う。また膵癌化学療法のキードラックであるGemcitabine(GEM)を添加することでGEM抵抗性膵癌細胞株を作成を進めている。細胞株に放射線治療を加えることで放射線治療抵抗性膵癌細胞株を作成も進めている。治療抵抗性膵癌細胞株に同定したマイクロRNA、標的遺伝子を中和抗体、siRNA、低分子inhibitorを用いて核酸導入し、細胞増殖能、アポトーシス誘導能、細胞遊走能、細胞浸潤能を指標にして膵癌治療抵抗性に関与するか細胞株レベルで証明している。さらに膵癌細胞株を用いたオルガノイド作成を行いつつ、膵癌患者の検体を用いてオルガノイド作成を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

膵癌・治療抵抗性マイクロRNA発現プロファイルを作成し、抵抗性獲得のネットワークを解析しているが、候補遺伝子が多くキー分子の同定までには至っていない。また化学療法抵抗性の膵癌細胞株の作成は終了しているが、放射線治療抵抗性膵癌細胞株の作成は行えていない。オルガノイドについては膵癌細胞株での作成は可能だが、臨床検体での作成に難渋しており、実験に十分なオルガノイド作成には至っていない。

今後の研究の推進方策

膵癌・治療抵抗性マイクロRNA発現プロファイルを用いた解析を進める。治療抵抗性のキー分子の同定を行い、膵癌細胞株から作成したオルガノイドにマイクロRNA、標的遺伝子を中和抗体、siRNA、低分子inhibitorを用いて核酸導入し、細胞増殖能、アポトーシス誘導能、細胞遊走能、細胞浸潤能を指標にして膵癌治療抵抗性に関与するか細胞株レベルで証明する。

次年度使用額が生じた理由

学会参加時の旅費に使用する予定だったが新型コロナウイルスの影響により中止となったため、次年度の学会参加に使用を予定している。また、オルガノイド作成のための試薬が物流不良のため到着延期となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Coronin 1C, Regulated by Multiple microRNAs, Facilitates Cancer Cell Aggressiveness in Pancreatic Ductal Adenocarcinoma2023

    • 著者名/発表者名
      Fukuda Kosuke、Seki Naohiko、Yasudome Ryutaro、Mitsueda Reiko、Asai Shunichi、Kato Mayuko、Idichi Tetsuya、Kurahara Hiroshi、Ohtsuka Takao
    • 雑誌名

      Genes

      巻: 14 ページ: 995~995

    • DOI

      10.3390/genes14050995

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公開日: 2024-12-25  

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