研究課題/領域番号 |
21K16434
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
藤原 信行 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (30805875)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | がん幹細胞 / Protein phosphatase 6 |
研究実績の概要 |
ん幹細胞は、がん組織の中に存在し、分裂して自身と同じ細胞を作り出すほか、がん細 胞を増やして腫瘍を一から構成する能力を持ち、抗がん剤や放射線に対する耐性を示す。こ のがん幹細胞を制御することが、がんの再発や転移抑制に重要であることは明らかであるものの、がん幹細胞に対して真に有効な抗がん剤はほとんど存在しない。そこで本研究課題では、大腸がん幹細胞で発現上昇しているPP6の発現調節機構の解析や活性調節因子の同定などを行い、大腸がん幹細胞の制御を可能とする新規抗がん戦略の構築を目的とする。 本研究課題では、上記目的の達成のために、項目①がん幹細胞でのPP6の発現調節機構の制御が、がん幹細胞に与える影響の解析、項目②PP6-PP6R2 複合体が、がん幹細胞に与える影響の解析、項目③PP6活性制御因子の探索とがん幹細胞に与える影響の解析、の3項目の解析を行うことを予定していた。 その結果、本年度は項目①においてはPP6が、がん幹細胞で発現上昇するメカニズムとして、転写が活性化していることを明らかにした。また、PP6発現が低酸素状態で発現が上昇することを見出し、この発現の上昇は低酸素誘導因子であるHIFの阻害剤の処置により抑制されることを明らかにした。項目②では、がん幹細胞ではPP6の複合体構成が変化し、PP6-PP6R2複合体が増加していることを明らかにした。項目③では、活性制御因子の解析を行うための細胞の作製と組織サンプルの収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、項目③に関しては解析を行うための準備までしかできていないが、他の2項目に関しては計画通り概ね順調に実行できている。
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今後の研究の推進方策 |
遅れの見られる項目③関しては、細胞や組織の準備は既にできているので速やかに解析を行い、当初計画においつきたい。他の2項目に関しては当初予定通り解析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度行う予定であった項目③の解析を次年度に行うため。 繰り越した金額は項目③の解析のために使用する。
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