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2022 年度 実施状況報告書

胆道癌における形態別にみた上皮内病変の胆管内分布とclonality

研究課題

研究課題/領域番号 21K16439
研究機関旭川医科大学

研究代表者

高橋 裕之  旭川医科大学, 医学部, 助教 (10516503)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード肝外胆管癌
研究実績の概要

胆道は肝の全領域から十二指腸乳頭部までおよぶ広範な領域で、胆道癌治療で全胆道が切除されることはなく、多発癌の正確な頻度は不明である。しかし、胆汁という共通の消化液にさらされる胆道においても食道や頭頸部領域腫瘍で示される“field defect”の関与は想像に難くない。そのため、 胆道癌の多発頻度は想像以上に高い可能性がある。 一方、胆道癌の多くでは胆道狭窄に伴う胆管炎が背景にあるため、非癌部胆管上皮には広範な修飾(再生異型)が加わり、時に腫瘍性病変との鑑別に苦慮する。これはしばしば議論になる胆管切除断端の予後因子としての臨床的意義や、胆道発癌機序を考える上で重要な問題である。
研究代表者らのグループは肉眼的正常膵に多様な異型膵管病変を数多く伴う場合には、IPMNとは離れた部位に浸潤癌が発生しうることを突き止めたが、同様の現象は胆道腫瘍においてもみられる可能性がある。
過去5年間の当院における胆管癌症例の術後再発の情報をもとに、胆道癌術後再発の予測モデルを構築するデータベースを作成。30症例において、病理組織標本を詳細に再検鏡し、切除断端の病理学的な情報に加えて、断端から病変に至るまでの肉眼的正常胆管にみられる上皮内病変の数と形態を確認、マイクロダイセクションにより各部のDNAを抽出して遺伝子異常(KRAS、TP53その他の胆道癌関連遺伝子の変異の蓄積パターン)を解析した。
現在は術前及び術後治療の有無、腫瘍マーカーを含む血液データとゲノム情報の関連性を数理学的に評価中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

再検鏡した30症例における病理組織標本の詳細な検討、断端から病変に至るまでの肉眼的正常胆管にみられる上皮内病変の数と形態を確認、マイクロダイセクションにより各部のDNA抽出および遺伝子異常(KRAS、TP53その他の胆道癌関連遺伝子の変異の蓄積パターン)のゲノム解析に時間を要している。

今後の研究の推進方策

過去5年間の当院における胆管癌症例の術後再発の情報をもとに、胆道癌術後再発の予測モデルを構築するデータベースを作成。30症例において、病理組織標本を詳細に再検鏡し、切除断端の病理学的な情報に加えて、断端から病変に至るまでの肉眼的正常胆管にみられる上皮内病変の数と形態を確認、マイクロダイセクションにより各部のDNAを抽出して遺伝子異常(KRAS、TP53その他の胆道癌関連遺伝子の変異の蓄積パターン)を解析した。
現在は術前及び術後治療の有無、腫瘍マーカーを含む血液データとゲノム情報の関連性を数理学的に評価中である。

本研究の成果は、生命に対する侵襲の高い胆管癌手術について、「拡大手術をおこなってでも根治を目指すべき患者層」と「高再発リスクのために拡大手術は勧められない、ゲノムレベルで胆管の広範囲に発癌素地のある患者層(一時的な拡大手術よりも抗がん剤治療の方が恩恵が高い)」の判定に極めて有用な情報源となる。

次年度使用額が生じた理由

再検鏡した30症例における病理組織標本の詳細な検討、断端から病変に至るまでの肉眼的正常胆管にみられる上皮内病変の数と形態を確認、マイクロダイセクションにより各部のDNA抽出および遺伝子異常(KRAS、TP53その他の胆道癌関連遺伝子の変異の蓄積パターン)のゲノム解析に時間を要している。
また、研究期間内で可能な限り症例数を増やし、より詳細で正確なデータを得るように尽力している。
引き続き、標本のマイクロダイセクション、DNA抽出、ゲノム解析の試薬代などに次年度使用額を使用したいと考えています。

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公開日: 2023-12-25  

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