研究課題/領域番号 |
21K16440
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中澤 信博 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (60881290)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 胃癌 / TGFBI / 癌関連マクロファージ / 癌関連線維芽細胞 / 完全ヒト化抗TGFBI抗体 / 免疫治療 |
研究実績の概要 |
申請者らは、癌部のTGF-βシグナルの活性化により誘導され、悪性度や治療抵抗性を引き起こすTransforming Growth Factor-Beta-Induced(TGFBI)蛋白の癌間質部発現が、肺癌Nivolumabに対する治療抵抗性に関連することを報告した。胃癌においても癌間質TGFBI発現がNivolumab治療抵抗性を予測するバイオマーカーとなることを証明した。そこで免疫チェックポイント阻害剤の薬効を抗TGFBI抗体により増強できるのか、また増強できるとしたらそのメカニズムはどのようなものかを明らかにし、革新的胃癌治療への臨床応用の橋渡しを目指す。 当該年度に実施したこととして、TGFBIの分泌起源について多重免疫染色を施行し、癌関連マクロファージや癌関連線維芽細胞より分泌されていることを証明した。また完全ヒト化抗TGFBI抗体に関して、フランスモンペリエ大学との共同研究という形で完成させた。今後はこの抗体を仕様して各検討を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床検体からの検討、ならびに完全ヒト化抗TGFBI抗体完成に関し、少し遅れは生じているものの、今後検討を進めていく。遅れている理由としてはコロナ下、また戦争等により、フランスモンペリエ大学からの輸送に遅れが生じているため。
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今後の研究の推進方策 |
1.ルシフェラーゼ発現E.G7細胞の確立と担癌モデルマウス作成を目指す。 2.in vivoルシフェラーゼアッセイを用いたE.G7細胞担癌モデルマウスにおけるTGFBI抗体とanti-mouse Pd-1抗体の併用意義を検討する。本検討では担癌モデルマウスを用いて完全ヒト化TGFBI抗体を免疫チェックポイント阻害剤anti-mouse Pd-1抗体に併用することで治療効果を増強できるかを検証する。また腫瘍細胞増殖の評価には腫瘍径の計測と並行して、免疫細胞浸潤の影響を除外するためにin vivoルシフェラーゼアッセイによる腫瘍細胞の発光活性を測定する。腫瘍浸潤免疫細胞、間質細胞については後述するFACS解析、次世代シークエンス解析で評価する。 3.完全ヒト化TGFBI抗体により治療されたE.G7皮下腫瘍における局所免疫細胞の変化と網羅的遺伝子発現解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究、検討がやや遅れているため当該情勢筋が生じた。 今後はルシフェラーゼ発現E.G7細胞の確立と担癌モデルマウス作成、in vivoルシフェラーゼアッセイを用いたE.G7細胞担癌モデルマウスにおけるTGFBI抗体とanti-mouse Pd-1抗体の併用意義、完全ヒト化TGFBI抗体により治療されたE.G7皮下腫瘍における局所免疫細胞の変化と網羅的遺伝子発現解析に対し、本研究費を使用する予定である。
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