研究課題/領域番号 |
21K16443
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
楊 知明 京都大学, 医学研究科, 助教 (20842826)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肝内胆管癌 / PDXモデル / Warburg効果 |
研究実績の概要 |
Patient-Derived (Orthotopic) Xenograft (PD(O)X)モデルは、患者から採取した腫瘍組織片を免疫不全マウスに移植するモデルで、従来行われている細胞株を用いたXenograftモデルに比べて、腫瘍の不均一性や癌微小環境の再現の優れたモデルとして注目されている。我々は肝内胆管癌の新たな治療標的としてWarburg効果に着目し、肝内胆管癌由来PDXモデルを用いて検証することを計画した。 PDXモデルの作成は、倫理委員会の承認後、患者より同意を得られた肝内胆管癌切除検体より一部を移植用として採取し、細断した組織片をヌードマウスの皮下に移植する方法を用いた。PDOXモデルの作成は、PDXモデルを確立したのちに、皮下生着腫瘍を肝臓に移植する方法を計画した。 昨年度はさまざまな制限が加わり、現在のところ1症例のみ腫瘍を採取し移植を行い得た。これまでの腫瘍の生着率は約30%で程度で、皮下に生着した腫瘍を採取し、別個体へ継代を行なって生着を確認しているところである。 いっぽう、切除標本の免疫染色やin silicoによりWarburg効果の代表的マーカーであるGLUT1とさまざまな細胞増殖制御分子との関連を評価した。現在、候補遺伝子を絞り、細胞株を用いたin vitro実験を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響による手術枠の削減、重症病床の使用制限を受け、当科の肝内胆管癌切除症例数も減少傾向であった。 また研究者の病院構内への立ち入り制限等も影響した。そのため当初予定していた症例数を確保できず、PDXモデルの作成に遅れが生じている。今後感染状況に応じて、こうした制限が解除されれば、研究の進捗が見込まれるが現時点では如何ともし難い。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、PDXモデルの作成に取り組む。また既報と比較すると移植片の生着が悪い印象である。移植時の手技の改良などを行い、生着効率の良いモデルを目指したい。 現在、Warburg効果を抑制する候補遺伝子を絞っているところである。 in vitroでの詳細なメカニズムの解明を引き続き行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響による手術枠の削減、重症病床の使用制限を受け、当科の肝内胆管癌切除症例数も減少傾向であった。た研究者の病院構内への立ち入り制限等も影響した。そのため当初予定していた症例数を確保できず、PDXモデルの作成に遅れが生じている。 その他、2021年度所属施設より研究費を支給され、本研究に使用した。 以上より、次年度使用額が生じた。
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