65歳未満と65歳以上で比較すると、65歳以上の食道癌は、進達度は深く、リンパ節転移が多く、病理学的ステージが進行していた。また免疫組織化学染色では、高齢者の食道癌において、上皮間葉転換(EMT)を誘導するMusashi2-Notchシグナルが働くことによって、癌の進行度がより高くなる、ということが示唆された。またEMTが誘導されるメカニズムについて、ミトコンドリア機能低下とEMTの関連が示唆された。さらに、高齢者食道癌においてDNAのメチル化によるエピジェネティック制御がEMTを誘導していることが示唆され、DNAメチル化の阻害がEMTを抑制することも分かった。
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