研究課題/領域番号 |
21K16454
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
遠藤 英成 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80836271)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 大腸癌 / MSI-H / TGF-b / 腫瘍微小環境 / 免疫チェックポイント |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、トランスクリプトミクスアプローチに基づく大腸癌サブタイピングシステムによってMSI-H大腸癌の中に同定した予後良好群および予後不良群において、TMEの免疫細胞(CD4+T細胞、CD8+T細胞に加え免疫抑制性細胞群)の割合や機能の違いを検証し、究極の個別化免疫療法に繋げることである。 本研究の計画としては、腫瘍免疫において重要とされるCD4+T細胞、CD8+T細胞に加えTreg、TAM、MDSC、制御性B細胞の評価を行う。またPD-L1などの免疫チェックポイント分子との相関も併せて調べる。具体的には以下3つの項目について検討を行うこととした。 ①複数の大腸癌コホート(図4)のトランスクリプトミクスアプローチにより、上記の免疫細胞に関連した遺伝子について各細胞関連gene signatureを利用することでMSI-H-stromal, MSI-H-conventionalの二群間における違いを探り出す。 ②自験例(Cohort4)の大腸癌サンプルに対しての上記免疫細胞の各細胞表面マーカーの免疫組織染色(IHC)を行い、定性的・定量的な評価をすることでMSI-H-stromalとMSI-H-conventionalに重要な違いを生み出している細胞群を同定する。 ③上記①-②により同定した細胞群をヒト末梢血単核球からMACSビーズを用いて分離し、MSI-H大腸癌細胞株あるいは非MSI大腸癌細胞株と共培養を行う。共培養後、それぞれの細胞におけるTGF-βおよび血管内皮増殖因子(VEGF)の産生量をリアルタイムPCR法およびELISA法により測定することで、TGF-βやVEGFの産生源となる主要な細胞群の同定を試みる。 これまでに①②については概ね遂行できた。さらに、③の細胞実験を行い、TGF-bとその免疫チェックポイント分子との因果関係も検索しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね研究計画書通りに進められている。
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今後の研究の推進方策 |
とくになし。
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次年度使用額が生じた理由 |
大規模な公開データを用いた解析が主体であったこと、当研究室ですでに確立した実験系が本研究の予備実験に流用可能であったことから結果として新規の支出が抑えられた。 次年度使用額は、消耗品費などに充当する。
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