研究成果の概要 |
大腸癌幹細胞で、細胞容積調整に関与するイオン輸送体CLCN5, LRRC8a, AQP1が通常癌細胞に比して高発現していた。これらは低浸透圧刺激を与えた際の容積変化に強く関与するため、低浸透圧刺激を与えた際の細胞容積変化を検証したところ、癌幹細胞では細胞の容積増大が生じにくく、通常の癌細胞が破裂し死滅する様な環境でも生存し得ることがわかった。さらにLRRC8aの遺伝子発現を低下させると癌幹細胞の低浸透耐性は弱体化し、AQPの阻害剤を用いると低浸透による容積変化が抑制されることがわかり、癌幹細胞の低浸透圧耐性は、LRRC8a, AQPが高発現していることで獲得されている可能性があると考えられた。
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