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2023 年度 実績報告書

膵頭十二指腸切除後の脂質吸収と脂質代謝異常の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K16473
研究機関神戸大学

研究代表者

南野 佳英  神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (70714666)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード膵頭十二指腸切除 / 術後脂肪肝 / 血中脂肪酸 / 質量分析
研究実績の概要

本研究の目的は、膵頭十二指腸切除(PD)後に生体内で起こる脂質吸収・代謝の変化の詳細を明らかにすることである。PDの術後には外分泌障害(脂肪吸収障害)が25から65%の割合で起こるとされる。しかし、本研究以前に実際に脂質吸収・代謝の変化を定性・定量的に評価した報告はなかった。また、術後の外分泌障害に対して、実臨床では患者症状に基づいて膵消化酵素補充療法(PEI)を行っているが、治療の目的となる適切かつ客観的な指標は長く不明であった。
本研究では、PDを施行した患者100例の術前および術後1ヶ月、3ヶ月血漿を質量分析計という新しい方法を用いて解析し(網羅的脂質メタボローム解析)、継時的かつ網羅的に脂肪代謝産物の血中濃度の変化を測定する計画のもとに行った。今まで脂肪代謝に関しては技術的な難度の高さから困難とされてきたが、近年の質量分析装置の進歩に伴い脂肪代謝産物の網羅的解析(メタボローム解析)が実現可能となりつつある。本研究では網羅的解析の結果、PD前後の検体から16種類の脂肪酸(9種類の必須脂肪酸、7種類の非必須脂肪酸)を検出し、術後には有意に必須脂肪酸濃度が低下していることが確認された。さらに、術後脂肪肝発症はPD術後の約30%に認められ、脂肪肝発症と必須脂肪酸濃度の間に相関関係が認められた。
本研究の結果からは、PD術後の外分泌機能障害のバイオマーカーとして必須脂肪酸濃度が有用である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 質量分析計を用いた膵頭十二指腸切除術後外分泌不全に対する治療バイオマーカーの探索2024

    • 著者名/発表者名
      南野佳英
    • 学会等名
      第39回日本臨床栄養代謝学会学術集会
  • [学会発表] 膵頭十二指腸切除術後外分泌不全に対する治療バイオマーカーの探索2024

    • 著者名/発表者名
      南野佳英
    • 学会等名
      第124回日本外科学会定期学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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