肝癌細胞株において、ジクロロ酢酸ナトリウム(DCA)の添加によって、低用量のブチオニンスルホキシミン(BSO)でのフェロトーシス誘導が可能になった。DCAの添加により、アミノ酸欠乏様の遺伝子発現変化を生じ、多種のアミノ酸トランスポーターの発現上昇を認めるとともに、細胞内アミノ酸濃度の上昇を認めた。DCAの添加によって小胞体ストレスシグナルであるATF4経路の発現上昇を認め、ATF4遺伝子ノックアウト細胞ではDCAによるferroptosis誘導効果は消失した。以上から、DCAによるエネルギー代謝変化に伴う小胞体ストレス応答がフェロトーシス感受性亢進につながることが明らかになった。
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