人工心肺において不適切な灌流が原因と考えられる臓器障害は未だ解決されていない。人工心肺中の酸素需給バランスを連続モニタリングし、酸素供給量や体温などのパラメータを目標値に管理する目標指向型体外循環管理を実践した患者において、術後せん妄や腎機能障害との関連を調査した。目標指向型体外循環管理を実践した患者において、術後せん妄の発症と低いヘマトクリット値の関連を認めた。灌流量の増加だけでなく、血液希釈を抑制した目標指向型体外循環管理が有効であることが示唆された。また、体温管理においては体温が36度以上の復温時間と術後急性腎障害との関連を認め、復温時間を短くする体温管理が有効であることが示唆された。
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