令和4年夏まで行った実験結果で、ビタミンB1添加の心筋保護液が虚血許容時間を延長するとした仮説を実証することは困難と考え、以降は研究内容を変更して別の研究題材に取り組んできた。 胎児動脈管から血管平滑筋細胞を採取し、継代により細胞を増殖させたのち、スフェロイド(細胞塊)を作製し、3Dでの血管平滑筋細胞の特性を観察する研究を行ってきた。 スフェロイド化した動脈管由来血管平滑筋細胞では、プロスタグランジンの刺激により、表面に近い細胞がヒアルロン酸結合タンパク質を発現しており、また電子顕微鏡で観察したところ、ヒアルロン酸分泌のためそれらの細胞表面が形態を変化させ活性化していると考えられた。
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