本研究においては、肺移植後の患者において、インターネットソフトフェア・スマートフォンアプリを用いた在宅患者からの臨床データ収集のシステムを確立した。 まず、完成したプロトタイプ(インターネットを用いたデータ入力システム)を肺移植手術後当院外来通院中の患者約20名に使用してもらい、それまでの紙ベースのデータ管理法とのデータ入力率などを比較した。これをDevelopment of a self-monitoring system for lung transplant patients using information and communication technology: a pilot studyというタイトルで報告した。 その後、この入力システムを当施設の全肺移植患者へと適応拡大し、実臨床にての使用を開始した。実際の患者の使用感を取り入れ微修正を加えながらシステムの改良を重ねた。1年目で構築したシステムを2年目で臨床応用へとつなげることが可能であった。 最終年度は、さらに他施設にても使用可能な状態へと拡張を進め、他施設と連携しながらの肺移植術後患者の管理を可能とした。 構築したシステムは、肺移植術後患者が自身にてデータを管理し、異常を認識した際にすぐに医療者に連絡するため、異常の早期発見につなげることが可能なシステムである。 一方、完成したデータベースシステムで得られた情報を解析することは、肺移植患者の予後向上を目指す研究へとつながると考えられ、今後の研究を計画中である。
|